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第9章 入力地震動と耐震設計

9.1 1995年兵庫県南部地震の被害と強震動記録



9.1.1 震度分布と強震計の分布


図9.1.1-1 1995年兵庫県南部地震の震度分布と強震計の分布. [関西地震観測協議会の観測点及びJR観測点による]



図9.1.1-2 強震計記録の貼り付け



図9.1.1-3 1995年兵庫県南部地震の地動速度最大値と震度の関係


 1995年兵庫県南部地震(=7.2)の震度分布は図9.1.1-1のようになり、震度7の地域が現れた。このMと震度の広がりは日本の過去の地震と比べると、図8.1.3-1(a)に見られるように、全く普通の地震である。しかし被害には住家に見られる古い型と巨大な土木構造物に見られる新しい型とが発生した。



 今までほとんど得られなかった震度6の強震動の記録が多数得られ、一部で震度7の記録も得られた。これらは先に述べたJRの新幹線制御用加速度計、幾つかの企業、神戸市、関西地震動観測研究協議会、などの強震計が今までに例がなく震源の近くに密に配置されていた。これらの観測点を図9.1.1-1に示し、その速度記録の例を図9.1.1-2に番号をつけて示した。



 これらの記録の最大振幅とその周期をグラフに示すと図9.1.1-3のようになる。その観測点の震度によって印を変えている。破線は図8.3.2-1に示した計測震度である。これほど多数の強震動観測点が震源の近くにあったのは日本では初めてである。



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