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8.3.2 計測震度のグラフ表示


(a)


(b)

図8.3.2-1 計測震度のグラフ表示.(a)との関係.(b)との関係

加速度計または速度計の記録の最大振幅とその周期から三軸グラフによって計測震度を直ちに知ることが出来る。 (8-4) 式において、α=1に固定すると(8-4)式は、少し変わって
(8-5)  
となる。しかし結果にはほとんど響かない。故に、地震動を正弦波と仮定すると ,
(8-6)   
一方, (8-5)式 よりIinstr=6.5(震度6と7の境界線)に注目すると≒60000cgsとなり、この値を(8-6)式 に入れると、例えばT=1secで=868gal, T=0.1secでは2745galとなる。Iinstr=5.5に対する値はを1/10にすればよい。以下同様にして図8.3.2-1(a)のグラフを得る。速度の最大値を用いた場合を図8.3.2-1(b)に示したが両者は同じものである。この関係は, 元のデータ(図8.2.1-2)に従って、T≒0.1sec〜2secの範囲で成り立つ。の代わりにを用いた場合のグラフを図8.3.2-1に破線で記入した。両者の差はほとんどない。との差は0.15〜0.16階級であるから不都合は生じないであろう。

 上記のように気象庁7階級の震度は物理量との間にすっきりした関係を持っている。新しい震度階級のように、特定の階級を細分するのは差し支えないが、7階級の大枠は保存すべきであろう。震度の国際化が日程に上った場合には、気象庁震度階級を推奨したいと筆者は考える。


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