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図8.3.1-1 と との関係[翠川ほか(1999)による]
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計測震度の求め方において加速度記録のスペクトルに のフィルターをかけたことは、加速度と速度の中間の量を採用したとおなじである。 のフィルターとすれば速度記録になるからである。したがって、物理量として加速度と速度の積の最大値 を採用してみると とIinstrとの関係は図8.3.1-1のように見事な直線関係になり、この関係式は
(8-4)
となる。σは標準偏差である。図8.3.1-1のばらつきが小さいのは同じ地震動記録からの計測量の間の関係だからである。(8-4)式には神戸市の大震度の記録も入っている。
式(8-4)において と との係数 α が1に近いと言うことは7階級の気象庁震度にとって幸運であった。例えば、12階級のMM震度およびMSK震度では半端な数となるからである。σは標準偏差であり、計測震度と震度との誤差は殆ど0.16階級以内に収まっていることを示す。なお、 は単位質量に供給される地震動の仕事率または単位時間の運動エネルギー供給量と解釈される。
物理量として、地震動の加速度最大値 、速度最大値 または全エネルギー を採用するとそれぞれの との関係は、
となる(翠川ほか, 1999)。パワーに関する量の係数αがすべて1.0に近いことは次節に見るように取り扱いに便利である。
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