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8.1.3 歴史地震のマグニチュードを推定する


(a)


(b)震度7及び6の分布例

図8.1.3-1 と震度5の面積、震度6および震度7の面積との関係.(a)グラフ (b)分布図の例.[村松(1998)および理科年表(1999)による]

規模()の大きい地震ほど有感範囲は広くなる。したがって、の決められている現在の地震とその有感範囲との関係を用いれば、過去の地震の有感範囲を定めることによって、そのを求めることが出来る。かって、河角廣(1951)により、このようにして歴史地震のが求められたが、歴史地震の記録において震度5の地点を定めることが最も容易である。震度5は被害の現れ始める震度であり、いつの時代にも脆弱な家屋があったからである。したがって判断も容易であり、資料も多いので、現在定められている歴史地震のは主に震度5の面積[単位:平方キロメートル]ととの間の関係式

 
(8-1)   
を参考にしている(村松, 1998;理科年表, 1999)。震度6は倒壊する家屋が生じ、死者も出るような強さの地震動であり、地変も現れる。したがって、記録にも残りやすい。その面積との関係は
(8-2)   
となる(村松, 1969)。上式を図7.2.1-1の濃尾地震に当てはめると=8.1 ,=8.0, 1995年兵庫県南部地震に当てはめると=7.1,=7.3 となる。


注1 ここでのMは気象庁現行の観測網で求められているである。
注2 最近のデータも含めたと震度5および6の面積との関係は図8.1.3-1のようになる(村松, 1998)。

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