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6.3.2 地震発生時期の予測

                          
 前節では、トレンチ調査などから活断層の過去の活動履歴を知る方法について解説した。その成果を地震発生予測に活用するに当たって、とくに重要なのは、地震の平均再来間隔と最新活動時期のデータである。

 地震の発生間隔が一定であれば、発生時期の予測は簡単である。次ぎの地震までに残された時間を求めるには、地震の発生間隔から最新活動以後の経過時間を差し引けばよい。例えば、地震の発生間隔が5000年で、最新活動時期が今から3000年前ならば、次ぎの地震がやって来るのは2000年後ということになる。

 しかし、地震の発生間隔は、実際には一定ではない。これまでの調査結果を整理すると、活断層からの地震の発生間隔は、平均再来間隔の概ね1/2から2倍の範囲にばらついている。従って、上の例で平均再来間隔が5000年ならば、現在すでに危険な時期に入っていることになる。多くの専門家は、最新活動時期から起算して、平均再来間隔の半分以上を経過した活断層は「要注意断層」としている。

 実は、予測に用いるデータの信頼度にも大きな問題がある。通常の放射年代決定では、±数十年、場合によっては百年近い誤差が避けられない。また、図6.3.1-2に即して言えば、第2層の形成から第1層の形成までには相当の時間が経過し、その間のどの時点で地震が起きたのか確言できない。

 このように、地震発生時期の予測は決して容易ではない。その最大の原因は、地震現象が多分にゆらぎの要素をもっていることにある。


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