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3.3 震源決定



3.3.1 震央・震源・震源時

                         
 地震が起きた場所を「震源」、その真上の地表の点を「震央」という。従って、震源の位置は震央の位置と震源の深さで表される。観測点から震央までの距離を「震央距離」、震源までの距離を「震源距離」と呼ぶ。

 地震が起きた時刻が「震源時」である。これはあくまでも震源での話だから、観測点に地震波が到着する「着震時」と混同してはならない。着震時と震源時の差、つまり地震波が観測点まで到着するのに要した時間を地震波の「走時」という。震源の位置と震源時をあわせて、「震源要素」と呼ぶ。

 震源の位置を推定する作業が「震源決定」である。このとき、震源時も同時に推定される。これは未知の震源要素を推定するのだから、本来、震源推定または震源標定とでも呼ぶのが適切であろう。しかし、これまでの伝統に従って、ここでも震源決定という用語を用いることにする。

 震源決定に用いるデータは、地震波の着震時である。第4章で述べるように、震源からはP波、S波と呼ばれる2種類の地震波が同時に放射され、観測点に到着する。当然、遠方の観測点ほど走時が長く、地震波の到着が遅れる。この着震時の違いから震源の位置が計算される。地震波が伝わる速さは地下の構造によって異なるので、観測点の数が多いほど震源決定の精度が高くなる。 この計算に当たっては、P波、S波の速度構造を仮定する必要がある。高い精度で震源決定を行うためには、この仮定した構造ができるだけ実際に近いものでなければならない。


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