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3.2.3 モーメントマグニチュード

図3.2.3-1 各種マグニチュードの比較

[宇津徳治(1984)による]

 ひとくちに地震のマグニチュードと言っても、実はいろいろな種類があることをお話した。各種のマグニチュードの値は、同じ地震でも必ずしも一致しない。また、一連のマグニチュードには、地震の規模を表す尺度として、物理的にあいまいなところがある。このあいまいさを解決したのが「モーメントマグニチュード」である。  1960年代の後半に、地震の断層理論に基づいて「地震モーメント」という新しい概念が導入された(第5章参照)。これは、しっかりとした理論の裏づけをもつ、地震の規模を適切に代表する量である。例えば、1995年兵庫県南部地震の地震モーメントは、 Nm(ニュートン・メートル)であった。このままでは扱いにくいので、

(3-2)  
によってに変換する。このようにして得られるが地震のモーメントマグニチュードである。兵庫県南部地震のモーメントマグニチュードは、となる。

 現在では、地震の規模はできる限りモーメントマグニチュードで表すようになってきた。しかし、その計算は多少やっかいなので、従来のマグニチュードも使われている。図3.2.3-1に、各種のマグニチュード間の比較を示す。が8以上の巨大地震では、他のは全て地震の規模を過小に評価していることになる。


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