強震観測施設における土間コンクリート打設工事の一部手抜き工事について(報告)

 防災科学技術研究所(以下「防災科研」)が管理運用している「強震観測施設」における土間コンクリート打設工事(以下「土間コン工事」)において、一部地域で手抜き工事が行われ、関係する方々にご心配とご迷惑をお掛けいたしました。深くお詫び申し上げます。

 今般、手抜き工事があった近畿地域71箇所の再工事が終了いたしましたので、現在の状況等についてご報告いたします。

 なお、土間コンクリートは、概況図をご覧頂くと判るように、強震計を設置してある基礎とは縁切りされており、打設状況が強震観測に影響することはなく、データ収集・提供は問題なく行われております。


1.経緯

(1)防災科研は、平成10年度補正予算において、全国約1000箇所の強震観測施設の改修工事を発注いたしました。(平成11年12月工事完了)

(2)工事は観測装置及び通信システムの改修を主として行い、併せて、雑草防止を目的とした土間コンクリート打設工事(約6㎡)を697箇所の観測施設において行いました。

(3)平成12年8月、近畿地区71箇所の土間コン工事を実施した下請業者から、手抜き工事を行った旨の情報が寄せられ、元請業者に調査を指示いたしましたが、納得できる回答が得られませんでした。

(4)平成13年4月から防災科研が独自の調査を行いました。その結果、最終的には71箇所全部においてコンクリートの厚みが足りない等仕様を満たしていないとの判断に至り、元請業者に工事のやり直しを指示いたしました。

(5)71箇所のやり直し工事は8月20日に工事終了報告書が提出され、工事写真による確認・検査を行ったところ、仕様書通りの工事が行われたことを確認いたしました。

(6)残り626箇所については念のため調査を行ったところ、関東以東については問題がないことを確認いたしましたが、中部以西の11県92箇所において手抜き工事が行われた可能性が高いと判断し、7月下旬元請業者に詳細な調査を指示しており、調査の結果、仕様を満たしていないことが判明した施設は、やり直し工事を行うこととなっております。

(7)現在、元請業者において調査スケジュールを調整しているところです。

2.発生原因

(1)本件は、防災科研から全国規模の機械系工事と土木系工事を一括受注した元請業者が、土間コン工事を複数の下請業者に発注したところ、一部の下請業者において手抜き工事が行われたものであります。

(2)元請業者の施工管理体制が不十分であり、結果として下請業者に対する管理監督が適切に行われず、受注業者としての責任を果たしていなかったことが、大きな原因であると判断しております。

(3)一方、防災科研においても、土間コン工事は強震データ収集には直接影響のない付帯工事との認識があり、監督・検査が十分に行われなかったことも、原因の一つであると反省しております。

3.再発防止等

(1)防災科研では本件を教訓として、契約書及び仕様書の内容、契約事務手続き等を再チェックするとともに、現場における監督・検査体制の強化を図るなど、このようなことが二度と起こらないよう5月10日付を以て防止策を定め、業務の適正な執行に努めております。

(2)また、職務履行の姿勢を正すため、本件工事を担当した防災科研の監督職員及び検査職員に対して、厳重注意いたしました。

(3)さらに、元請業者に対しては、防災科研との取引を一定期間停止する旨を8月31日付をもって通知いたしました。