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7.3 地盤の液状化



7.3.1 1964年新潟地震の液状化被害



図7.3.1-1 新潟市の液状化被害地域とボーリングデータとの関係[大崎(1983)による]

 1964年新潟地震(M7.5)では新潟市に大規模な地盤の液状化現象が発生し、そこでは殆どのビルが傾いた。図7.3.1-1はその一つの調査結果である。図7.3.1-1の斜線部は被害の激しかった地域であり、旧信濃川の跡が写し出されている。砂地模様は被害のほとんどなかった地域であり、砂丘地帯である。白い部分はその中間で被害は顕著ではなかった。この地域全体にわたって詳しいボーリング調査が行われた。その結果、深さ8mでN値(硬さを表す指数)註#1がすでに12を超えた所に〇印、12に達しなかった所に×印を付けると、被害の激しかった所は全て後者であり、液状化被害の原因は水で飽和した軟らかな地層が8m以上の深さになっているところであることが分かった。さらに詳しく見ると、被害の激しかった地域でも基礎を深く下ろした建物は新潟県庁のように真っ直ぐに立っており、完全に無被害であった。

 液状化現象は、緩く詰まった砂層が水で飽和しているとき、ある程度強い振動をうけると、間隙が少なくなり、同時に水圧が高まって砂層全体が流動する現象である。したがって、密に詰まった砂層では液状化は発生せず、そこまで基礎を下ろした建物は被害を受けなかったと解釈される。しかし、固い層まで基礎を下ろしているに拘わらず、その基礎の杭が折れるという被害を起こしたビルもあった。 1983年日本海中部地震(7.7)のときに、秋田県および青森県で大規模な液状化現象が発生し、数メートルにわたる地表の水平移動が観測された。この動きは基礎の杭を破壊する力になるものであり、新潟の場合も地層の水平移動があったようである。


注1 N値:一定の重りを一定の高さから落として杭を叩いたときに、杭が一定の深さまで沈むに要する落下回数。
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