前ページ次ページ

第7章 地盤の特性

7.1 軟らかな表層による地震波の増幅



7.1.1 地震波



図7.1.1-1 P波、SV波、SH波の定義





図7.1.1-2 反射、屈折によるP波、SV波の変換.SHは変換しない.

 音波は縦波であり、電磁波は横波である。固体を伝わる弾性波は縦波と横波の両方を含んでいるので複雑であるが、地震の源は岩盤の一部のすべり破壊であるから、地震波エネルギーの大部分は横波が占める。したがってここでは横波であるS波の増幅を取り扱う。

 図7.1.1-1に示すように地震波の進行方向に振動する波は縦波のP波である。S波はそれに直交する面内で振動する波であるから二つの成分があり、紙面に垂直に振動する波がSH波、紙面に平行に振動する波がSV波と呼ばれる。PとSVは紙面の中で振動するので、境界面で反射・屈折をするたびに新たなPとSVが生まれる一方、SH波はではこのような変換が生じないので、取り扱いが簡単であり、境界面の影響を見るのに都合がよい。この様子を図7.1.1-2に示した。




◇◇◇










注1) 紙面=波の進行方向を含み、境界面に垂直な面。
前ページ次ページ