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第6章 活断層

6.1 活断層とは何か



6.1.1 活断層とリニアメント



図6.1.1-1 活断層の概念図[地震調査研究推進本部(1999)による] ハ

「活断層」は、最近の地質時代にずれ動いた活動の証拠があり、今後も活動すると考えられる断層である。ここで言う最近の地質時代とは、第四紀と呼ばれる最近百数十万年のことである。しかし、この間に活動を停止したものもあり、最近数万年の第四紀後期の活動に注目することが多い。

 活断層は文字通り生きている断層だが、常にずるずるとずれ動いているわけではない。普段は動きが見られず、地殻の歪みエネルギーを蓄えている。そして、数千年、数万年に1度といった長い間隔をおいて、大規模な断層破壊、つまり大地震を発生させる。

 この断層破壊をもたらす力は、プレートの相対運動に起因する(2.1.3参照)。プレートの運動は、数十万年程度の時間スケールではほとんど変化しないので、活断層に作用する力の方向もほぼ一定である。従って、活断層のずれ(変位)の方向は変わらず、大地震のたびに変位が累積して行くことになる。

 長年にわたって累積した変位は、図6.1.1-1に示すように地形に刻まれる。ずれが上下方向の場合(正断層、逆断層)には、土地が上下に食い違って「断層崖」が形成される。また、ずれが水平方向の場合(横ずれ断層)には、川の流路や山の尾根筋に系統的な食い違いが生じる。

 このようにして形成された線状の地形は、航空写真などから「リニアメント」として識別することができる。ただ、差別侵食など他の原因でリニアメントが生じる場合もあるので、地形のリニアメントは全て活断層というわけではない。活断層と認定するためには、地形・地質調査などによって、変位が経年的に累積していることを確認する必要がある。


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