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4.2.4 地震波の走時曲線



図4.2.4-1 地震波の主な相とその波線[「理科年表」(2000年版)より転載:copyright 丸善株式会社]



図4.2.4-2 走時曲線の例 [Jeffrey and Bullen (1940)によるものを「理科年表」(2000年版)より転載]

 震源から出発したP波、S波は反射・屈折を繰り返し、いろいろに姿を変えた地震波が地表に到達する。これらの波は波形記録上に種々の「相」として現れる。各種の相のうち、代表的なものの伝播経路(波線)を図4.2.4-1に示す。

 図では、P波として伝わる部分が実線、S波として伝わる部分が破線で示されている。各波線の名前は、波が通過する層とP・Sの別を示す略号を順に並べたものになっている。地殻・マントル内のP波とS波はそれぞれP、Sで表す。ただし、震源から上方に射出されたものは小文字で、p、sと書く。K、Iはそれぞれ外核、内核を伝播するP波である。反射波については、反射面を小文字で表す。cは外核とマントルの間のCM境界、iは内核と外核の境界を意味する。例えば、ScSはCM境界で反射されたS波である。また、PKPはマントル−外核−マントルの順に全てP波で伝播した波を表している。

 震源から観測点まで、波が到達するのに要した時間を地震波の「走時」という。震央距離と走時の関係を描いたグラフを「走時曲線」という。図4.2.4-2は深さ0の震源に対する走時曲線である。震央距離は、震央と観測点を結ぶ弧の長さで、地球中心からみた角度で表されている。

 図4.2.4-2のP(直達P波)の走時曲線を見ると、震央距離103°(約1100 km)あたりから遠方は破線になっている。これはP波がほとんど観測されなくなるためである。このような観測事実から、液体の外核が発見された。現在では地球内部の速度構造がよく分かっているが、これは走時曲線の詳しい解析から得られたものである。




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