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2.1.3 プレート内に起きる地震



図2.1.3-1 東北地方の震源分布の断面図

地図上に示した長方形内に震央があるもの.▽は観測点の位置.

[長谷川昭(1994)による]

 プレートテクトニクスが説くところによれば、地震が起こるのはプレートの境界部だけで、その内部には及ばないはずであった。ところが実際には、プレートの内部でも地震が起きている。

例えば、太平洋プレート上のハワイがそうである(図2.1.1-1(a)参照)。ここは「ホットスポット」と呼ばれる特殊な場所で、溶融したマントル物質の上昇に伴って地震、火山の活動がもたらされている。ただ、中央海嶺などのプレート発散境界とは異なって、マントル物質の上昇域は狭く、点状になっている。

 これ以外にも、プレートの中に周囲よりも弱い場所があれば、そこに応力が集中して地震を引き起こすことになる。活断層は、まさにそのようなプレート内の弱線部である。

 もうひとつ重要なのは、沈み込んだプレート(これを「スラブ」という)に発生する地震である。図2.1.3-1に、東北地方の震源分布の東西断面図を示す。西に向かって傾き下がる地震の帯が印象的である。古くから「深発地震面」あるいは「和達・ベニオフゾーン」の名で知られているもので、ここでは、その先端はロシア沿岸直下の深さ600kmあたりまで達している。これらの深い地震はスラブの中に起きているもので、「スラブ内地震」と呼ばれる。

 スラブ内地震は上面と下面の2つの層に分かれている。上面側はスラブの表面に近い場所、下面側は数10km深い場所に位置する。また、上面側の地震はスラブが沈み込む方向に圧縮する力、下面側の地震は逆に引っ張る力で引き起こされている。スラブ内地震の原因については幾つかの説があるが、まだ最終的な結論を得るに至っていない。



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